エゴセントリック
2020
紙粘土で作った自分の顔を少しづつ餌にしてブルーギルを釣る様子をインスタライブで配信した作品。釣った魚はその 場で締めて持ち帰り、魚拓をとって食べようとした(結果食べられなかった)。コロナウイルスの影響でリモート中心で の講義が始まり、with コロナに向かってゆく兆しが見えた頃におこなった配信である。 外から来たものが拡散し蔓延する働きを、僕は止めることができない。自分が子供の頃、この池で強く感じたことである。 この池の看板には、釣った外来魚をリリースしてはいけないと書いてあるが、効果があるとは思えないほど大量のブルー ギルがこの池には生息している。よく釣りに行っていた子供の頃、ブラックバスが釣れないと、ブルーギルで釣果をあげ ようとして、何匹も釣ってそれらを全て茂みに捨てていた。リリースしてあげたい気持ちと、この池のルールに挟まれて ルールを守ることを当時は選んだ。人間としてブルーギルと向き合うのではなく。私個人として向き合う方法を考えてみ た。魚拓にした後食べようとしてみたが、時間が経ってしまったため埋葬した。
ブルーギルは 1960 年、今の平成上皇がアメリカでの外遊の際にシカゴ市長より寄贈され、その後水産庁が食用研究の ために飼育、放流され、各地に生息することになった魚。現在は特定外来生物として駆除対象になっている。