なんちゃら
影縫い 
2019
 夜の街灯の光によってできる、大学内の駐輪場の自転車の影を消すように白いチョークで塗りつぶす。 夜に塗りつぶされた黒い影は白色と中和され消えたように見え、日がのぼると痕跡としてそこに現れてくる。 
 駐輪場に混在する放置自転車を炙り出しながら、時間による物の移動を可視化することを試みた。 影はその主体が実体であることを証明する。本来その時間そこにあってはいけないはずの大量の自転車は、実体として存 在しながらもアクティブな存在ではない。夜は影を消すことによってその自転車の存在を非実体に見せかけ、昼にその痕 跡がが動いていないことを証明する。 影縫いとは、相手の影に暗示をかけ動けなくする忍法である。 
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